
安土・桃山時代に、ある地域で余っているもの、一方、ある地域で不足しているものを互いに補い合う、行商が生まれました。歩き回ってお役に立とうという小さな小さな仕事。
それが商いの始まりで役に立とう、奉仕をしようという心が一つの形になって商人になっていったといわれています。イオンの前身のひとつである岡田屋も行商が出発点で創業は1758年(宝暦8年)。正しい商売を続けてきたおかげで、現在に至っています。商いとは尊い仕事であり、人に対して幸せを与え、喜びを与えるものであります。モノやサービスを通じて、お客さまや社会に奉仕するのが商いです。このことを我々商人は忘れてはなりません。お客さまは、そこから生まれる励ましや奉仕に大満足し、爽やかに晴れ晴れとして生きる心を得たのであります。これが商人の原点であります。商人は生きる価値を創造するのであって、決してモノ不足を解消するためだけに存在するのではありません。お客さまと商人が共鳴し、共感して、心の友となっていくのです。
商いは常に関係を深めることが大切で、お客さまや仕入先、得意先、そして自然、人間と関係を深めることこそが商いの原点であり、商いとは取引ではなく、人と人とのリレーションシップ、人間関係作りなのです。手間をかけて思いを伝え、相手を心で支えることが基本であります。何故、今、商いの原点回帰を顧みる必要があるのか?
昨年の国難とも言うべき東日本大震災があり、原発問題も解決が見えません。津波被害からの復興もまだまだこれからです。これまで、日本全体が経済成長やモノの豊かなくらしを追求するが故に、いのちや環境、心の豊かさに目を向けることが疎かになっていたと思えるのです。
私たちイオンの事業は、まさしくお客さまの“日々のいのちとくらし”そのものです。「イオンは、日々のいのちとくらしを、開かれたこころと活力ある行動で夢のある未来(AEON)に変えていきます。」というイオン宣言の意味は、このいのちとくらしを両立、融合すべきものととらえて、誰よりも、お客さまの「日々のいのちとくらしを」それぞれ豊かな形にしていくことこそ、我々の使命であるという宣言です。
これは、冒頭に述べた商いの原点そのものです。お客さまや地域社会のお役に立ちたい、奉仕をしたい、晴れ晴れと生きる元気を与えたい。この商いの原点がイオンピープルの精神の柱です。
今一度、イオンピープル全員が商いの原点に立ち返り、誇りを持って仕事に励み皆さまのお役に立ちたいと考えています。遠くない将来、振り返ったとき、2012年が日本にとって、復興の礎の年であったと思えるよう、イオンも全力で取組んでまいります。
2012年3月
























