監修:管理栄養士 森野眞由美
イソフラボン
豆乳メニューでイソフラボン摂取
大豆たんぱくに含まれるイソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと同様の働きをして更年期障害の症状を抑える物質として注目されています。更年期の典型的な症状はのぼせやほてりですが、イソフラボンを摂取すると症状が緩和されたという報告があります。いま、更年期真っ只中の人にはもちろんですが、若いときからイソフラボンを摂取すると更年期症状を起こりにくくするそうです。将来のことを見据えて早めに手を打つことが望ましいでしょう。また、アメリカではイソフラボンを含む大豆たんぱくががん予防にも効果があることを示唆する研究発表がありました。
カロテン
カロテン
カロテンの語源はキャロット(人参)。だから人参に代表される太陽の光をたっぷり浴びた情熱的な赤い色(正確には赤橙色)の色素が作られます。黄色の野菜、たとえばかぼちゃなどにもカロテンは含まれます。カロテンには美容と健康に貢献する偉大なパワーが存在するのです。植物性食品に含まれて体内でビタミンに変身して、肌のつやをよくしたり、乾燥を防いだりして皮膚をすこやかにします。口腔や肺、気管支などの粘膜を丈夫にして風邪などの感染病に対抗します。冬至にかぼちゃを食べるのにはわけがあったのです。風邪かな?と思ったら、カロテンとビタミンC、それにたんぱく質を十分に摂るようにしましょう。
たんぱく質(アミノ酸)
たんぱく質(アミノ酸)
たんぱく質の働きは「体を作る材料」になることです。筋肉、臓器、血液、皮膚、髪の毛、爪などを作るのになくてはならない大切なものです。また、「免疫力やホルモン、消化酵素」なども作っています。不足すると健康を損ない、いろいろな症状が出ます。元気が出ない、集中力がない、食欲がない、肌荒れ、風邪にかかりやすいなどの症状があればたんぱく質不足かもしれません。たんぱく質は20数種のアミノ酸からできているのですが、この中の9種が必須アミノ酸と呼ばれるものです。体では合成されないので食品から摂らなければなりません。肉はこのアミノ酸のバランスがすぐれた食品です。肉には幸せな気持ち「至福感」をもたらすアナンダマイドが含まれているのです。毎日、肉を食べて幸せになりませんか?
良質たんぱく質・大豆製品
枝豆は大豆の若い豆なのでたんぱく質、ビタミンB1、カルシウムなど大豆同様に栄養豊富な食品です。生揚げは豆腐を油で揚げたもの。歯ごたえがよく、煮ても焼いても美味しいですね。ゆでるか、フライパンでから焼きなど、下ごしらえしてから料理に用いた方が味がよくなります。
カルシウムとビタミンB1が多い夏向きの2品を御紹介します。
鉄
春の貝類で鉄分補給
女性に多い貧血の大部分が鉄欠乏性貧血とよばれる、鉄の不足が原因で起こるものです。潜在性貧血をあわせると2人に1人が貧血が心配される状態です。その原因は肉や魚介類、緑黄色野菜、海藻などの不足による鉄不足です。妊娠すると貧血が起こりやすいことは知られていますが、実はダイエットをしている人にも起こりやすいのです。鉄不足だけでなく、エネルギーやたんぱく質不足も貧血の原因になるからです。食事を3食たべることは貧血を予防する基本です。血液が赤いのは赤血球中のヘモグロビン=血色素によるもの。鉄はそのヘモグロビンを構成するもので、酸素を体内に運搬する働きがあります。不足すると酸素の運搬がうまくいかなくなるので顔色が悪くなる、息切れ、めまい、動悸、食欲不振、疲労感が起こるのです。鉄はレバーに多く含まれますが、春が旬の貝類にも多く含まれています。低エネルギーでたんぱく質が多いこともメリットです。鉄は動物性鉄の方が吸収がよく、ビタミンCとともに摂ると吸収がよくなります。
食物繊維
食物繊維
■ますます減少する食物繊維摂取量
食物繊維は野菜やくだもの、海藻、きのこ、豆、芋、穀物などの植物性食品に含まれる栄養成分です。整腸作用があり、便秘予防に効果があることは昔から知られていましたが、がん予防などの健康効果が話題になったのは30年前からです。穀物や大豆、海藻、野菜などが豊富な昭和20年代頃の食事では日本人は1日に食物繊維を20数g以上摂取していました。食の欧米化が進み始めた昭和40年代になると急激に食物繊維の摂取は減少していき、ついに平成14年度の国民栄養調査では14g程度になってしまいました。この食生活の変化にともない心筋梗塞や大腸がんなどが増加し始め、食物繊維の重要性が注目を浴びるようになったのです。
■健康を守る食物繊維パワーを見直そう
食物繊維は炭水化物の仲間ですが、人間は消化する酵素を持たないのでエネルギー源としては利用されにくいのです。しかし、体内でコレステロールや塩分、糖分の吸収を抑制したり、発ガン物質を取り込んで排泄するなどの働きがあり、それが健康を守るパワーになるのです。食物繊維を含む食品は低エネルギーで、ビタミンやミネラルを多く含み、また、よくかむことにもなるので早食いを防ぐことにもなります。朝は忙しく噛んでられない!というお方にはジュースを作って飲むことをおすすめします。春の爽やかさを野菜とくだもののジュースで味わいましょう。
ビタミンD
ビタミンD豊富なかつおメニュー
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。腸からカルシウムが吸収されるのを促進するからです。カルシウムとともにビタミンDを摂取しないとカルシウムが無駄になります。ビタミンDの栄養所要量は乳幼児から5歳までは1日10μg(マイクログラム)ですが、成人すると2.5μgに減ります。ビタミンDが不足すると乳幼児や子供ではくる病、成人では骨軟化症や骨粗しょう症の原因になります。体でも作られますが、そのメカニズムは皮膚にあるプロビタミンDが日光にあたると紫外線によりビタミンDに変わるのです。1日に30分くらい日光を浴びるとよいでしょう。食事ではかつおやいわし、まぐろ、しらす、うなぎなどの魚やきのこ類に多く含まれます。かつお100gには4μgのビタミンDが含まれます。旬のかつおをたっぷり食べましょう。
クエン酸
クエン酸で食欲増進
梅雨の季節は湿度が高く、蒸し暑くなるので体にはそれがストレスになります。気分が滅入りやすく、なんとなく体調も食欲も低下しがちになる方も少なくないことでしょう。そんな時だからこそ、しっかり栄養をとらないと免疫力が低下して食中毒にかかりやすくなります。この高温多湿の環境は細菌が繁殖するのに適しているので食品が腐りやすくなることも心配なことです。食欲を高め消化を助けてさらに殺菌作用があるクエン酸を上手に料理に利用するとよいでしょう。
酢や梅干し、レモンなどのくだものにはクエン酸が含まれています。食欲を刺激し、殺菌作用があり、口当たりがさっぱりした料理に仕上げる効果があります。免疫力をつけるにはたんぱく質を摂取することが大事です。旬のアジを使った料理をおすすめします。
フラボノイド
フラボノイド豊富な白色野菜
少し前までは「白色の野菜には栄養がない」といわれていましたが、それは「とんでもないまちがいだった」のです。野菜やくだもの、大豆、芋の白色部分にはフラボノイドが含まれていますが、これはポリフェノールの仲間ですから、体内の酸化防止に働いてがん予防や老化予防に役立ちます。白色野菜をあげると、なす(中身)、大根、かぶ、きゅうり、玉ねぎ、カリフラワー、ごぼう、とうがんなどがあります。くだものではりんごや梨、桃、バナナなど。じゃが芋や里芋などの白色もフラボノイドです。とうがんはまさに夏野菜で今しか味わえない貴重なものです。淡白な味でビタミンCが多く、フラボノイドを含む栄養価の高い野菜として見直されています。塩分控えめのだし汁で煮て食べるのでフラボノイド(ポリフェノール)を逃さず食べられることも利点です。
EPA・DHA
もっとEPA・DHA豊富な青魚を
青魚の栄養的評価はこの数十年間で驚くほど高くなったといってよいでしょう。昔は脂肪が多いために、カロリーが高く、消化が悪いからと病人には不向きとされていたのです。しかし、今では身体の健康を守る働きがいろいろ発見され、積極的に食べることが望ましいと言われるようになりました。それは魚の脂肪に含まれる脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が注目されたからです。それは血液をさらさらにして動脈硬化を予防する、視機能を高める、潰瘍の治りをよくするなどの働きです。旬のサンマはまさに身体にいい脂肪の宝庫。焼きサンマの定番メニューに新しいメニューを提案します。特に魚が苦手な子供達においしいといってもらえる料理を考えました。
グルカン
グルカン
きのこに含まれる多糖類はグルカンといい、ブドウ糖がたくさん繋がってできたものです。中でもβーグルカンは食物繊維に似た働きがあり、がんを予防することが認められています。βーグルカンは体内にあるマクロファージやNK細胞などの免疫細胞と連携したりして免疫力を高める効果があり、それがガン予防に働くとされています。きのこすべてにβーグルカンが含まれ、しかも低カロリーなので体重が気になる人も安心して食べられます。(以前はきのこのカロリーはゼロとされていましたが、少しだけ消化できるので100gあたり20kcalほどのエネルギーがあります。)
亜鉛
旬の牡蠣メニューで亜鉛摂取
牡蠣は欧米人が生食する唯一の水産物ですが、英語でRの付かない月には食べるなといいます。それは身がやせておいしくないからです。11月から4月までの Rの付く月のこれからが旬です。たんぱく質が含まれ、脂肪が少なく、炭水化物であるグリコーゲンが多いことが特長です。グリコーゲンは炭水化物を貯蓄してあるもので、消化吸収がよいものです。カロリーは100g(5個くらい)で60kcalと少ない方なので、ダイエットにも適しています。カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含みます。特に亜鉛は他の魚介類の10倍ほど多く含む貴重な食材です。亜鉛の体での働きはおもに細胞の生成を促すことです。亜鉛が不足して起こる「味覚異常」が問題になっている現状です。また、成長や食欲、皮膚の健康、免疫力を保つためにも欠かせないミネラルなのです。100g食べると1日の栄養所要量を十分に満たします。コレステロールが気になる人にも100g中51mg含む程度なので大丈夫。生やフライ、鍋などでいろいろ料理して、おいしく味わってください。
ビタミンE
ビタミンE
昔は「若返りのビタミン」とよばれたものですが、今では抗酸化作用の働きで活性酸素などを抑制してがん予防に役立つといわれるのがビタミンEです。カロテンやビタミンA,Cの酸化を防ぎ、細胞膜、つまり血管などをすこやかに保つ働きがあるからです。また、寒い今の季節は手足の冷えで悩む人も多いことでしょう。細い血管の血流を促すので冷えの解消にも役立つといわれます。多く含まれるのは油脂類ですが、厚揚げやがんもどき、油揚げは大豆たんぱく質とビタミン Eの両方が含まれるのでおすすめです。今月は生活習慣病予防月間なので低カロリーでビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む副菜を食べるよい習慣を身につけましょう。
ビタミンC
ビタミンC
ビタミンCは成人では男女ともに1日100mgを摂取しましょう(推奨値)。ビタミンCの働きは(1)コラーゲンの生成を促進します。骨、筋肉、血管の結合組織をしっかり作り、すこやかに丈夫にします。(2)感染症に対する抵抗力を強めます。風邪予防に必要です。(3)抗酸化作用があり活性酸素の働きを抑制して細胞が傷つかないようにします。がん予防にも働きます。これほど役にたつビタミンCですが、水に溶けやすい、加熱により減少する、体内に貯蓄されにくいのが難点。ですから毎日、野菜とくだものを食べる必要があるのです。いちご200g(10粒)にはビタミンCが120mg含まれます。
ビタミンB群
ビタミンB群豊富なかつおメニュー
春かつおはたんぱく質を多く含み、低カロリーですが、ビタミンやミネラルがたくさん含まれる栄養価の高い魚です。とくにビタミンB群の仲間であるナイアシンとB12がたっぷり含まれるのが特長です。ナイアシンは聞きなれない名前ですが、食事から摂取する推奨量も示されています。欠乏すると皮膚炎、胃腸障害、神経症状がでることが知られています。ビタミンB12も不足すると貧血や神経症状を引き起こします。吸収するには胃の中の内因子が必要なので胃を全摘出した人などは胃液が出なくなると欠乏することがあります。そんな心配はかつおを食べればご無用です。ダイエットの人にもおすすめの春の食材ですね。
新顔の野菜 豆苗・スナックエンドウ
豆苗はえんどうの若い芽や葉を食べるものです。カロテンやビタミンCが豊富に含まれています。炒めもの、ゆでてあえもの、卵とじなどにあいます。
スナックエンドウもさやえんどうの仲間です。グリーンピースのように豆が育ち、さやごと食べる品種です。実はあまく、さやはやわらかくて歯切れがいいのが特長です。
栄養的特長は豆の性質をもっているのでビタミンB群が野菜としては多く含まれています。ビタミンCやカロテンも含まれます。







