お話を聞いたのは
この人

イオンリテール(株)住居余暇本部ホームコーディ商品部
岩井 愛

Product 03
これまで、寝具関連のパッケージは、柄が見えて手で触れられないようにするために透明のプラスチックケースを使用することが一般的でした。この状況に目を向けて、プラスチックを使わないパッケージを開発したのが、住居余暇本部ホームコーディ商品部の岩井愛さん。寝具包装の機能を損なうことなく、環境にやさしいパッケージを実現した経緯を聞きました。
お話を聞いたのは
この人
イオンリテール(株)住居余暇本部ホームコーディ商品部
岩井 愛
暮らしの品を幅広く扱うイオンリテールの住居余暇本部では、1年半ほど前から環境に配慮した包装などの副資材の変更に取り組んできました。まずはリサイクルされたプラスチック素材の一種、ポリエチレンを使用していたものの「そもそもプラスチックを使わないようにできないか?」と考えたのがはじまりだったと岩井さんは振り返ります。
「これまで、汚れの付着や劣化を防ぎ、中身がわかることからプラスチックを使用していました。この機能を損なうことなくプラスチックを使用しないパッケージをイチから検討。プラスチックを使わずに、中身がわかって触ることができず、さらに変色などの劣化を守る機能をもつパッケージとして素材から考えはじめました」。
この条件を満たす方法を探し求め、行き着いたのが商品と同じ「共布」を使う方法。「最初は布にマジックテープを付けたり、紙のラベルを縫い付けたりしてみたのですが、どれも納得できなくて。試行錯誤していたとき、巾着にして商品を収めればいいのでは!とひらめきました」。同じ布の紐を付け、くるりと商品を包んで結べば開封後も小物入れなどに再利用できる。しかも巾着付きのようでちょっとうれしい。プラスチックを使わない新しいパッケージの方向が定まった瞬間でした。
次に考えたのが、売場で商品が自立するための方法。商品を出して並べる際に、作業に負担がかかったり、美しく陳列できない形状では意味がありません。「この対策には中に厚紙を入れることでボックス型にしてしっかりと立つようにしました。商品情報を伝えるラベルの幅と紐部分の幅を合わせて、ラベルがズレにくく一体感が出るようにも意識しました」。脱プラをかなえつつ、売場での扱いやすさと、コンパクトさから持ち帰りやすい仕様が完成したのです。
さらに岩井さんは「もうひとつ、環境にやさしいことがあるんです」と話を続けます。「今回初めて、商品の製造をバングラディシュの会社に委託することになったのですが、巾着用の布も同じ場所での製造となったことで、輸送によるCO2削減も実現できました」。商品とパッケージなどの副資材を別の場所で製造していた以前よりも、はるかに環境に配慮した商品に。岩井さんの笑顔から、さまざまな条件をクリアして乗り越えられた満足感が伺えます。
この環境配慮型パッケージは、9月中旬から掛ふとんカバー・ベッド用シーツ・枕カバーの商品にて採用がスタート。プラスチック使用量は約400kg削減され、今後も環境にやさしく、使いやすさや機能を損なわないパッケージ開発に挑戦していくと岩井さんはこの先を見据えています。
オーガニックコットン
ふとん・まくらカバー
(2024.10.17現在)