
Store 02
毎日コツコツ節電。
お店で実施している
省エネの工夫。

イオンリテールのお店は、お客さまにとってお買物の場所であるとともに、環境活動のコンセプトである「いつものおかいものでやさしいみらいへ」を実現する場所でもあります。店内温度や明るさなど快適な空間づくりに加えて環境に配慮し電力削減も必須であることから、節電につながるさまざまな取り組みを推進しています。今回は施設管理を担当している依田さんに、お店の節電の工夫を教えてもらいました。

総務部 施設管理グループの
依田貴裕さんに
案内してもらいました。
LEDにほぼ変更完了。
冷蔵カーテンにも環境に
やさしい工夫が。
総務部の依田さんと待ち合わせしたのは埼玉県にあるイオン浦和美園店。最寄りの駅から徒歩3分の近さながら、かなり面積の広い大規模な店舗です。まずは入口の扉に立ち止まり「ここを見てください」とステッカーを指して説明がスタート。

「イオンリテールの店舗は、100%再生可能エネルギー使用の電力に順次切り替えを進めています。太陽光や風力など、CO2を排出しない環境にやさしいエネルギーを使用することで、環境負荷の低減に努めています」と依田さん。なるほど切り替えが済んだお店にはこのステッカーが貼ってあるんですね。

中に入ったこの空間、売場と外扉をつなぐエントランスですが「日中、太陽光が入るところは電気を消しています」。確かに自然光が入って、昼間はやさしい雰囲気になっています。さらに売場に入ると天井のライトを見上げて「売場の照明はほぼ全店LEDに切り替わりました」と言います。聞くと、イオン浦和美園店だけで使用している照明器具はおよそ1万個以上。従来の蛍光灯よりも消費電力を約60%削減することができ、耐久年数が長いLEDにすることで、大幅な消費電力の削減につながります。

次に農産売場へ。冷蔵が必要な商品が多く、壁側にずらりと冷蔵ケースが並んでいます。「店舗で最も電力を使用する設備のひとつが冷凍・冷蔵ケースです。そのため、閉店時にこのカーテンを下ろして冷気を逃さないようにします。もちろん農産だけでなく牛乳などのチルドや精肉の売場でもこのカーテンを使っています」。カーテンによって冷気を保ち、余計な電力を使わずに一定温度になるようにしているってことですね?「そうです。今は布製なのですが、以前はフィルム製のカバーのため破損が多く、劣化が早かったんですよ」と依田さん。こういう見えないところの設備も進化しているようです。

「この布製カーテンは幅が長めでそれだけ隙間が少ない、つまり冷気を逃しにくいようになっています。それに強力な磁石で取り付けられているので、部分的な破損時もそこだけ変えられるのが便利です」。店舗の設備には、長く使えて廃棄物になりにくいということも大事なようです。「そうそう、冷蔵ケースの照明ももちろんLEDです」と教えてくれる依田さん。
369店舗が1%でも電力使用を
減らすことで
大きな効果に。

次は冷凍食品売場へ。ここ数年、冷凍食品の需要の高まりに伴って、イオンリテールの冷凍食品売場も拡大中。多くのお店ではこのように、壁面タイプとセンターに配置されて上から取り出すアイランド型のショーケースを併用しています。「アイランドタイプは省エネ効果を高めるため、2013年頃から蓋付きを使用しています」。さらにこのアイランドタイプは2022年のイオンスタイル新浦安@フローズン売場をスタートに、ノンフロンの自然冷媒型を2000台導入済みで、今後も順次導入を進めてオゾン層破壊の防止に努めていくそうです。

冷凍ケースに扉があると曇って商品が見えにくくなりませんかと聞くと、「この扉は温湿度センサー付きで、自動制御でヒーターが入る仕組み。温度や湿度が上がって扉が白くなるのを防いでいます」と依田さん。環境を守りながらお客さまのお買い物をより快適にしていく、そんな機能がこのケースに搭載されているんですね。

「自動温度記録システムによって冷凍食品なら−18度に一定管理しています。定期的に温度をチェックする行為の省人化に加えて、一定温度による品質保持にも効果があります。こうした日々進化していくテクノロジーを積極的に取り入れることも重要になっています」。この管理システムも、お客さまが商品を取り出した後にきちんと閉めていただいてこそ。霜や氷の付着や冷気漏れを防ぐためにも、引き続きご協力よろしくお願いいたします。

このほか脱炭素先行地域にある店舗では、EV車を社用車に使用。売場から離れたところでも環境負荷を減らす地道な取り組みを続けているそうです。それはイオンリテールの店舗数が369店舗(2025年2月現在)であり、1店舗で1%でも電力使用を減らすことで大きな削減効果を生み出すため。実際、2024年度末のCO2削減量は、2016年と比べて47%削減を果たしています。古くなった設備を修理あるいは新しいものに変え、お客さまにご協力いただきながら、日々環境に配慮した節電効果を高めています。