With みんなと一緒につくる未来

With 03

お客さまと、
(株)エフピコさまと。

ゴミにならず資源に。
使用済み食品トレーのリサイクル。

揚げ物、刺身、牛肉など、食品売場の商品の多くはトレーを使用して売場に並びます。しかしこのトレー、持ち帰って食品を使うとその瞬間ゴミに。この状況を解決すべく、トレーメーカーのエフピコ社が使用済みトレーから新たなトレーにリサイクルする取り組みに対して、イオンリテールが回収窓口として大規模な資源循環を実現しています。この取り組みについて担当の2人に話を聞きました。

Withな活動概要

食品トレー
回収リサイクル

With

お客さま・
(株)エフピコさま

  • 実施場所
    イオンリテール(株)が運営する約400店舗の「イオン」「イオンスタイル」内に回収ボックスを設置。
  • 対象商品
    ポリスチレン素材の発泡トレー
    (爪楊枝で刺せるタイプ)
  • 実施の流れ
    回収ボックスに集まったトレーをエフピコ社が商品納入時に合わせて回収。各地区の選別センターに集めてリサイクル可能なトレーを選別し、粉砕、洗浄の工程を経てトレーの素材となる粒状に加工。エコトレーとして再生される。

担当の2人に
活動内容を伺いました。

「ゴミにしない」思いから、
トレー再生の技術を確立。

イオンリテール
まずはエフピコさんのリサイクル活動の歴史について教えてください。
(株)エフピコ 
井上さん
当社のリサイクル活動がはじまったのは1990年、今から35年前になります。容器包装リサイクル法ができる前、プラスチック容器などのゴミ問題が表面化する以前に創業者である小松安弘が「一番に取り組まなければいけないこと」としてスタートしました。
イオンリテール
それはどういう考えからだったのでしょうか?
(株)エフピコ 
井上さん
我々、トレーメーカーが提供する製品は、あくまでも盛り付ける料理や食材がメインであり、食品がなければゴミであると。ゴミを排出する企業から脱却しなければならないという思いのもと使用済みトレーの回収に取り組み、最初は筆箱やベンチなどのトレーではないプラスチック製品に再生していました。当時はトレーに再生する技術が追いつかなかったようです。
イオンリテール
その技術が確立され、使用済みトレーを広くお客さまから集めて新しいトレーに変えるこの活動がはじまったのですね。
高橋さん
イオンリテールでの2024年度回収実績は約600トン強。これは2023年度のイオングループの回収量のおよそ15%に相当します。600トンといえば20トントラックが30台分。あれほど軽いトレーですから、かなりの回収量であることがわかります。毎年回収量が増えていることからも、お客さまの関心の高さを感じますね。
イオンリテール
回収ボックスへの正しい入れ方というのはあるのでしょうか。
(株)エフピコ 
井上さん
リサイクルできるのは発泡トレーといって、95%が空気のとても軽いタイプです。といっても一般の方には区別がつかないですよね。簡単な見分け方は、トレーに爪楊枝が突き刺さるとリサイクル可能と覚えていただければ。ちなみに従来の電子レンジ対応型トレーは、熱に対応する強度を加えた固い仕様のため、リサイクル不可でした。しかし現在は、発泡で電子レンジ対応型のリサイクル可能な容器も出てきており、イオンリテールさまに積極的に採用いただいています。いずれにしても現在は、爪楊枝が突き刺さるとリサイクル可能だと覚えていただれば大丈夫です。
高橋さん
回収ボックスに入れるトレーは資源ですから、さっと水洗いして乾いた状態でお願いしたいです。水分や食品が付着していると匂いのもとになるので、皆さまには「サッと洗って乾かせて」をご理解いただければと思います。
イオンリテール
回収したトレーはどのように再生トレーになっていくのでしょう?
(株)エフピコ 
井上さん
選別センターに集められ、手作業で選別作業を行います。これを機械化、エアーで分別したところ軽さからトレーが飛んでしまい、やはり人による選別が一番となりました。食品トレーに再生可能/不可、白/色・柄付きを人が瞬時に見分け、粉砕、洗浄、脱水、粉砕、溶かす、という工程を経て最終的にお米のような粒状に。これを原料としてエコトレーに再生しています。
FLOW
01回収 選別センターより収集 02回収〜再製品化 人の手で選別 細かい異物をおとしてトレーをくだく 2回洗う すすいで脱水 粉々にする 溶かしてカット お米のような粒にする 03製品化

食品を美しく引き立て、
プラスチック使用量の少ないトレーを採用。

イオンリテール
イオンリテールの食品にとって、精肉、鮮魚、デリカとトレーは欠かせないものですよね。
高橋さん
食品使用のトレーの60%を使用しているのがデリカ(惣菜)部門で、食品の鮮度や品質を伝えるために必要不可欠なものです。しかし使い捨てプラスチックの削減はイオングループ全体の大事な環境目標。デリカ部門としてはトレーの使用は必要不可欠なため、プラスチック使用の少ないトレー開発をエフピコさんに依頼して、適宜新しいエコトレーを採用するようにしています。
(株)エフピコ 
井上さん
トレー容器は「ゴミ」になるイメージがどうしてもつきまといますが、食品を「保護する」役割も担っています。さらに、冷たい・温かいという温度の対応、商品の価値を伝える見栄えの良さ、そしてバックヤードでの保管のしやすさ。場所を取らずにストックできることもトレーに求められる要素です。こうした条件をクリアしつつ、プラスチック使用量を削減した商品開発に取り組んでいます。
透明感が向上! 進化した食品トレー 従来の食品トレー
高橋さん
以前は惣菜でも蓋をせずにラップで販売していましたが、商品保護や見栄えの向上などから蓋つきのトレーを使うようになりました。このレンジ加熱対応の透明トレーも技術の進歩とともに、ますます商品の見栄えがよくなってきました。
イオンリテール
今後どのようなトレーをめざしてもらいたいですか?
高橋さん
当社のデリカは揚げ物の構成比が高いので、レンジ加熱対応トレーの品質が改善することは非常にありがたく感じています。今後もさらに、商品の鮮度や品質もお客さまに正確にお伝えでき、しかも環境に配慮したエコトレーの開発を進めていただきたいと思っています。
(株)エフピコ 
井上さん
はい、がんばります!
高橋さん
使ったトレーがゴミにならずに資源になるこの活動は、お客さまからも非常に賛同いただいていると感じています。店舗の多いイオンリテールだからこそ、たくさん集まりたくさん再生できるというスケールメリットが出せます。これからもお客さまにご協力いただきながら、お買物の楽しさを損なわずに環境負荷を減らしていく取り組みを続けていきます。

With 担当の皆さん

(株) エフピコ
広域営業部 営業1課
チーフマネージャー 井上 謙和さま
イオンリテール(株)
食品本部 デリカ商品部
企画プランニングマネージャー
高橋 央

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